家の前の道路には30センチを超える積雪。昨日の昼間、路上につけられた複数の轍は夜の寒さで凍結し、たちの悪いアミダクジと化していた。
分かるよ、どのクジを引いても二輪は転倒だろ。
今日はアクシスZでの通勤を諦め、家人に送ってもらうことにした。
雪による凸凹道はクルマでも往生した。私を送った帰り、家人のクルマはスタックし、近所の人に押してもらってようやく帰れたそうだ。
まったくもって二輪で走れる道じゃない。二輪で走れる天気じゃない。仕方がないことなのだが、通勤ライダーは最適な通勤手段として二輪を選んだので、忸怩たる思いがある。本当は二輪でも行く方法があるのではないかと。クルマにできることが、なぜバイクでできないのだ。そんなにバイクは弱いのか――弱いよ。雪の日には歩きで行ける場所にも、バイクだとたどり着けない。むしろバイクが邪魔。
自然の猛威と戦うことはできない。
ハリケーンが向かってきたら逃げなければならない。
だが、イエーガーに乗っているときは、
ハリケーンと戦うこともできるし、勝つこともできる。
映画「パシフィック・リム」より
家に帰って10年ほど前の映画を観返しながら、苦虫を噛み潰している。