通勤ライダーの小さな旅 with アクシスZ

ヤマハの原付二種スクーター「アクシスZ」と共に日々を旅する

一夜にして町が白いオフロードと化し、アクシスZが弱点を露呈

雪が降っていた。職場で夜間作業の立会をしている間にも、雪は降り積もった。

 

早朝、新聞配達のカブがやってきて、普通に新聞を届けてくれた。冬タイヤなら普通に走れるようだ。

 

朝、仕事を終えると、吹き溜まった雪は膝のすぐ下まで到達するほどになっていた。10年に1度というレベルの降雪量。この冬最大の寒波。そんな言葉に「またまた大げさな。ボージョレ・ヌーボーの評価文かよ」と思っていたのだが、本当に本当だったらしい。

 

アクシスZは積もった雪で腹を擦り、勤務先の駐輪場から出すことさえ往生する状態。なんだか、早朝見たカブの走りとは様子が違う。

 

時速5キロほどで家に向かう。職場付近の圧雪は換装している冬タイヤのお蔭でなんとかなっている。シートをニーグリップするようにして走ればいいようだ。

 

だが、山の中腹にある我が家の近くになると様子が違ってきた。交通量が少ないため、ふわりとした新雪ばかり。腹を擦るどころか、雪の上に乗り上げてしまいぜんぜん走らない。タイヤが空転して自ら雪の深みに潜り込んでいってしまう。

 

ダメだ。カブとアクシスZは車高が違う。もっと車高が高くないと膝上の積雪には対応できない。冬タイヤは鏡のように凍結した路面には一定の効果があるが、泥濘のように柔らかな路面ではまったく役に立たない。

 

思えば、舗装道路が少なかった頃の日本で生まれたカブと違い、アクシスZは南国、台湾で最近作られたシティ派のスクーターだった。雪道を走るなんて想定されていない。雪道対応の弱さはアクシスZの通勤用スクーターとしての弱点と言えるかもしれない。白いオフロードと化した町にアクシスZは向いていない。

 

山の中腹にある我が家。家の近くが最大の難所で、何度も窪地にハマり、登坂するためには何度もスクーターを降りて、押さなければならなかった。

 

アクシスZは100キロと125CCにしては軽量だが、それまで乗っていた50CCのスクーターよりは明らかに重く、ハマった穴から勢いをつけて脱出させるには、より多くの力が必要ということも身体をもって理解した。

 

最後には除雪のために家を出ていた近所の方(面識なし)にアクシスZを押してもらう羽目にもなった。助けてほしいと言ってはないのだが、見るにみかねてというやつだったのだろう。少し、恥ずかしい。そして、たくさん、ありがとうございます。

 

そんなこんなでいつもなら15分の道を小一時間ほどかけて帰ってきた。

 

家に帰って、駐輪スペースとクルマの前の雪かきを家人と共に行った。二人ともぐったりと疲れた。

 

そして……明日も雪の予報。ため息が出る。

除雪も進んでいないので、明日はクルマで家人に送ってもらうことにしようか。

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